中学部は、中・高・専8ヵ年教育の最初の学部であり「くらし・しごと・からだ」の基礎作りにおいて重要な学部となります。まだまだ時間があるという考え方ではなく、基礎作りの仕上げの学部という心構えで教育を進めていきます。本校には高等部・専攻科がありますが、中学部でも社会へ生産的に参加できるように、職業生活や一般日常生活に重点をおいて指導をしていきます。
中学部は、青年期のはじまりでもあります。健常児でもそうですが、知的障がい児もこの時期には、生理的にも心理的にも大きな変化がはじまり、社会的にも独立へと移行する時期になります。良い発達は良い環境と良い教育の中で獲得されます。その意味でも、心身の調和的な発達がより促進されるような教育を組織し、総合的に良い指導を展開していきます。
入学してきたばかりの頃は、基本的な生活習慣の整っていない生徒も多くいます。
中学部では正しい生活技能を、より正しく、より速く、より多くできるようになることを目指し、学校生活のあらゆる場面で細やかな指導を実施し、家庭と連携をとって定着させます。
基礎体力作りを目指す「朝の体育」(サーキット・トレーニング)、体育(教科体育)、作業(土木、建設、農耕、製パン、紙器、木工)、単元学習等を通して、全身の持久力を向上させていきます。筋力を高め、柔軟性を育て、体格を整え、姿勢を正し、巧緻性を磨き、器用さを育て社会生活の基礎固めをしていきます。
寮生活では、集団生活へ適応する力が必要とされます。集団への参加能力も、クラス単位から学部集団、そして学校集団へと高められるよう、役割活動、クラブ活動、生徒会活動等、具体的で活発な活動を計画して、社会に適応できる素地を育てます。
実生活の「生」の生活を学習場面では多く持ちこみ、生徒の能力に応じた学習を展開する中で、自分の持ち場を正しく理解し、自主的に、正確に、几帳面にこなす指導を徹底し、自立への自信を育て、意欲を引き出すように指導していきます。
作業教育や生活単元学習、現場実習等、生徒達が実際に働き活動する場を学習の中心におき、働くことの経験をより多くさせて、勤労への意欲を高め、職業生活に必要な基礎的な態度を養います。